職人魂を携えて到着した久々のベルギー。
今回の滞在予定は1週間。
その中で現地調査からプレゼンまでを行います。
まずは現地調査から。
外観は可愛らしい仕上がり。
お施主さまが守りたいと仰っていたことが
よくわかります。
日本ではまずお目にかかることができない
レンガの古民家です。
テラコッタ調の屋根や装飾窓など、改修後の
姿を想像するとわくわくします。
裏に回ると周囲に溶け込み過ぎた外観に、軒の低い
落ち着いた造りです。
屋根のてっぺんには煙突も確認できます。
菱田工務店の目指すところでもある『素材感を出しながら、
シンプルかつ高いデザイン性をもった建築』を体現しています。
続いて内部です。
木、レンガを主とした素材感のある仕上がり。
内部も余分な手が入っておらず、改修する楽しみが
しっかりと残った造りでした。
床も当時の素材(石のようなレンガ)が使われており、
当時の材料をどう活かすかがご提案の鍵にもなりそうです。
外から見えた煙突もレンガ造り。
しっかりと古美ています。
構造はヨーロッパの典型的な古民家『Timber flame』。
斜め材を用いながら一つ一つフレームを構成して、
連続するフレームをつないで組み上げていくこの
造りは菱田工務店が提供している商品ラインナップの
一つである『Timber』なので当然といえば当然なのですが…。
自然素材の利点は経年変化の結果、より美しさを増す
『経年美化』があります。
こちらの素材もその例にももれず、美しく年を重ねています。
実測しながら改修後の建物を想像し、さらにそこで
お施主様が暮らす様子を思い描きます。
新築を計画する時も同様に住まい手の暮らしを想像しますが、
この家のもつポテンシャルに引っ張られ、想像は膨らみます。
現調後はプランニングとプレゼン資料作りです。
日本にいるスタッフにも手伝ってもらい、
来るプレゼンに向けて想像を膨らませていきます。
合間には体も動かします。
日本では葛飾北斎の『冨嶽三十六景/遠江山中』
でしかお目に掛けれない木挽き。
かつて、建築材料をつくる製材はこれを用いるのが
一般的でした。
そのビジュアルに目がいきがちですが、木のクセを
とらえながら製材、乾燥後の木の動きを想像して鋸を
入れる職人技です。
木挽きで体力を消耗し、軽く手の震えが残る中で
迎えたプレゼンの結果はいかに!?
次回、完結編『菱田、ベルギーで家造るってよ』
こうご期待です。